長野県内水面漁場管理委員会に「政策提案書」提出

まずはこちらから今回提出した「政策提案書」をダウンロードしてご覧になって下さい。→(PDF形式16KB)

これまでの経緯
FB's Societyはこれまでにも、平成15年1月に行われた外来魚に関する公聴会において提案書を提出するなど(レポートはこちら)、バサーとしての立場や姿勢をアピールしてきました。
しかし、その後漁場管理委員会でのリリース禁止指示、田中康夫県知事による指示の延期・見直しなど、紆余曲折を経て現在にいたっています。
現在の各種法令や諸規則では、バスは移植を制限(長野県漁業調整規則 第29条 下に全文を記載します)されており、さらには長野県内水面漁場管理委員会指示第1号(下に全文を記載します)によって生きたままの水域からの持ち出しまでが規制されています。バスを排除したい湖などで捕獲されたバスは、有効に利用されることもなく、そのまま廃棄されてしまっています。知事の許可を受けることが条件で移植を認めるという文言もあるのですが、千曲川で私たちが行おうとしたバスの移植(レポートはこちら)は上記の漁業調整規則第29条を理由に却下されてしまいました。

政策提案書提出の理由
そのような中、政策提案書を提出することにしたのは、平成15年末が、漁業協同組合に免許されている漁業権の更新時期にあたり、さらには上記の漁場管理委員会指示の期限が切れる時期にもあたるためです。これを機にバスと漁業の関係を見直し、バスの釣魚あるいは漁業資源としての価値を公的にも認めてもらいたいという狙いがあるのです。
ここで釣り人が何の声もあげなければ、漁業権の免許は何の変更もないまま更新され、委員会指示もまた継続して適用されることにもなりかねません。
近々、漁業権の免許更新についての長野県内水面漁場管理委員会が開催されます。その場で釣り人としての提案、意見が少しでも取り上げられることを願っているのです。

なぜ「水産」? 「漁業」?
今回の政策提案書をご覧になると、バサーの皆さんの中には少し「?」という部分があるかもしれません。「水産」とか「漁業」という方面に重点が置かれた部分もありますし、バスを「水産資源」として位置付け、キャッチ&イートを推奨しているかのように見えるところもあるからです。また、「ポストハーベスト・ロス(漁獲後消耗=遺棄、廃棄処分、非食用利用など)」という耳慣れない言葉も登場します。
しかし、これらは決して釣り人としての立場や、末永く釣りを続けるためのキャッチ&リリースを否定するものではありません。むしろ、釣り人として地域や行政との話し合いに参加させていただき、釣り人が納得できる話であるのならば積極的に協力すること、可能であればバスを不要とする水域から有効に利用する水域に移送することを希望するという点が主眼となっています。
現在の法制度のもとでは釣りは「遊漁」と表現され、あくまで漁の一部です。漁業法を始めとする各種法令や諸規則の中で私たちの趣味を続けていくためには、それらの規則を十分に理解し、長野県をはじめとする全国の第五種協同漁業権漁場を管理する漁業協同組合、漁業者の方々、行政の方々に対して「遊漁者=釣り人」としての意見や希望を発信していく必要があるのです。

最後に
私たち釣り人は河川や湖沼、つまり「釣り場」を独占したいのではないはずです。地域の方々や漁業者の方々とともにより良い管理・運営を行い、より楽しく釣りをすることを目指しているのです。
そのためには釣り人以外の方々の利害や意見をきちんと聞き入れ、お互いの納得できる点を見出す努力を続けるべきだろうと思います。今回の政策提案書はそのことを十分に考慮して作成されました。
なお、政策提案書を提出するための段取りを、今回も長野県議会議員の西沢まさたか様にしていただきました。この場を借りて、あらためて感謝の意を表したいと思います。

(レポート作成:FB's Society 内海 拓)


<本文中の語句の説明>
■長野県漁業調整規則
(移植の制限)
第29条 次に掲げる水産動物(卵を含む。)を移植してはならない。ただし、漁業権の対象となっている水産動物を当該漁業権に係る漁場の区域に移植する場合及び移植について知事の許可を受けた場合は、この限りでない。
(1) ブラックバス(オオクチバス、コクチバスその他のオオクチバス属の魚をいう。)
(2) ブルーギル
(3) アメリカザリガニ
(4) 雷魚(カムルチー、たいわんどじょうその他のタイワンドジョウ属の魚をいう。)
長野県内水面漁場管理委員会指示第1号
 漁業法(昭和24年法律第267号)第67条第1項及び第130条第4項の規定により、水産動植物の繁殖保護を図るため、次のとおり指示する。
  平成13年3月1日
              長野県内水面漁場管理委員会会長 橋詰 実

1 指示内容
  ブラックバス(オオクチバス、コクチバスその他のオオクチバス属の魚をいう。)又はブルーギルを採捕した者は、採捕したブラックバス又はブルーギルを、生かしたまま採捕した水域から持ち出してはならない。ただし、公的機関が試験研究の用に共する場合は、この限りではない。
2 期間
  平成13年3月1日から平成15年12月31日まで


■ポストハーベスト・ロス
1995年12月4〜9日、京都国際会議場において95カ国が参加した「食料安全保障のための漁業の持続的貢献に関する国際会議」で合意された、「食料安全保障のための漁業の持続的貢献に関する京都宣言及び行動計画」の中で、海面、内水面を問わず漁業者の努力目標として、漁獲後消耗=遺棄、廃棄処分、非食用利用などの削減努力を世界の漁業者の合意事項としたもの。中央水研ニュースNo.18(平成9年11月発行)に、詳しい説明があります。(http://ss.nrifs.affrc.go.jp/news/news18/9.htm)

"The Future of Bassing" presented by FB's Society / since May 21, 2002