「滋賀県琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例要綱案」
その後を追う

パブリックコメントの提出期限満了後、琵琶湖湖畔に住む一人のバスアングラーが滋賀県議会議員に嘆願書を提出しました。FB'sのメンバーGill Lightさんです。彼が送った質問状と、県議会議員A氏からの返答をここで公開させて頂くことになりました。この先の成り行きを見定めるための途中経過としてご覧ください。(直接関わっている個人名は伏せさせて頂きます。)


滋賀のGill Lightです。今回のリリース禁止に関しまして、パブリックコメントの提出、署名集め、マナーの徹底を行って参りました。更に何か出来ないかと思い、滋賀県の議会議員さん(私の姉と同級生であり身近に感じたので)に嘆願書を送ったのですが、以下の文章を返信して頂きました。

まず、以下の文書を7月17日にFAXで送信しました。

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滋賀県議会議員 A様
初めまして。草津市で理容店を経営しておりますGと申します。突然この様なFAXを送らせて頂き誠に申し訳ありません。私の姉、同町内建設業のY氏と草津中学校同窓生ということで、身近に感じ、先の県議会議員選挙でも1票を投じさせて頂きましたし、今回FAXをさせて頂きました。

今回6月18日に発表になりました「滋賀県琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例要綱案」に対し、どの様にお考えなのか、また我々釣り人の取り組みについて知って頂きたいと思いました。

今回の条例要綱案で釣り人に対し重大な点は「外乱魚の再放流禁止」にあります。私は琵琶湖で20年ブラックバス釣りを楽しんで参りました。中々奥が深く飽きるということはありません。湖岸に立つたびに琵琶湖の辺に産れて良かったと感じます。基本的にバスフィッシングはキャッチ&リリース(再放流)を行います。食べるために釣る訳では無いので釣る行為自体はレジャーであるといえます。「外乱魚の再放流禁止」が施行された場合、釣り禁止になるのと同義であると、ブラックバス釣り愛好家は考えています。

日本釣振興会(麻生太郎氏会長)の「1000人アンケート」によりますと、リリース禁止になった場合、釣りをしないという回答が7割もありました。釣り人による商工業の潤いを全く無視した行政と言わざるを得ません。琵琶湖を訪れる釣り人が年間100万人と言われていますが、飲食業、観光業、小売業等がどれだけダメージを受けるか想像して頂けると思います。

また外来魚(ブラックバス)が固有種を食べる事実、釣り人のマナーの悪さが今回の条例要綱案に盛り込ませた原因でありますが、ブラックバスが日本に移入され77年経った経過からも棲み分けしている事実があるということ、在来種がブラックバスのみの原因で減少したという確実なデータも無いままに「リリース禁止」を施行しようというのは、納得いきません。そのため我々釣り人は「リリース禁止」にならないように、パブリックコメントの提出、署名活動、釣り場の清掃活動、マナーアップのセミナーが行われてきました。

麻生太郎氏が日本釣振興会の会長就任挨拶で『「国民の生涯スポーツとしての釣りの普及」、「釣り場の環境整備」及び「釣りを通して豊かで逞しい青少年の育成」に努めていく』と申されている様に、私も1人の親として子供に釣りを教えることで、自然とのふれ合い、尊さ、環境保護を伝えたいと思っています。

どうか我々釣愛好家からこんな素晴らしい釣りを奪わないで下さい。バスフィッシングの商業的有益性と釣りを通した自然との関りの場があることを知って頂きたいのです。

公務にお忙しいと思いますが、どの様にお考えなのかご回答頂ければ幸いです。

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そして7月19日夕方に先日の議員さんからの文書がFAXで返信されました。

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G様
 Eメール頂戴し誠に有難うございます。返信が遅くなりました事、心よりお詫び申し上げます。
 又、平素は何かとお世話に相成り衷心より御礼申し上げます。

 さて、今滋賀県議会におきまして琵琶湖利用の適正化のためのルール作り、即ち、条例化の議論を進めております。御案内の通り、滋賀県立大学学長の西川章治氏を会長とする「琵琶湖適性利用懇話会」より本年3月20日に提言をいただいた「琵琶湖におけるレジャー利用のあり方」を基に、琵琶湖に生き、そこに生業を営んでいる人々と琵琶湖に憧れを抱き、各地から訪れレジャーを楽しむ人々との間に信頼と共存の関係が取り戻されることを願いながら、現在条例化の作業を進めているところであります。

 そこで今回御指摘戴いた外乱魚に対する再放流の禁止について現在までの議論の経過と私の考え方を述べさせていただきます。

 先述の懇話会の提言には「バスのリリースの問題については行政では、在来種の保全や水産資源の保護の観点からリリースを許容せず、キャッチ and イートの方向性を示している。琵琶湖は世界でも有数の古代湖であり、50種を超える固有種が生息する貴重な生態系を有していること、湖と人との関わりの歴史の中で培われてきた琵琶湖独自の食文化の継承を重視すべきであることなど琵琶湖の特質を踏まえた様々な観点から、安易に琵琶湖でのブラックパスの存在を容認すべきではない、従ってバスのリリースについては明確に禁止方向を打ち出すべきとするのが懇話会の大勢の見解である。

 尚、「愛好者の間ではバスをりリースすることがバスフィッシングの前提となっているため、リリース禁止はバスフィッシングそのものの否定につながるとの考え方が強い。現に琵琶湖にはバスが存在し、これにより、生計を立てている業者が存在することも事実であり、リリースの禁止は釣り客の減少を招いてこれら業者に経済敵的な影響を与えるとの意見やバスの生態系へ与える影響について調査を行った上でリリースの是非を論ずるべきとする意見もあった」とされているところであります。そこで現在上記両論の意見の妥当性を検証すべく県当局並びに議会とで激論を交わしている最中であります。当然議会の中でも色々の意見があり、取りまとめには今しばらくの時間が必要であると思います。

 私個人の意見としてはリリース禁止はやむを得ない措置であろうと考えておりますが、但し、バスの生態系に与える影響の科学的検証や業者の皆様への影響など十分に検証を重ねた上での結果であるべきであり、軽々に結論を出すべきではないと考えております。

 いずれにいたしましても、十分議論を重ね県民皆様に理解をされる条例となる様、努力をいたす所存であります。何卒宜しくお願い申し上げます。

 尚、又、御意見等ございましたら、なんなりとお申し出下さいます様お願い致します。

平成14年7月19日
滋賀県議会議員A

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20日夕方、議員さんにお返事頂けたお礼も兼ね、以下の文章をFAXで送信しました。

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滋賀県議会議員 A様

 先日ご質問をさせて頂きましたGです。お忙しい中、早々にご返信頂き、ありがとうございました。我々バス釣り愛好家にとっても琵琶湖の自然環境を守りたいという意識は強く持っております。条例案の慎重な審議の程、宜しくお願い致します。

 今回の琵琶湖利用の適正化条例案に関しまして、もう一つ危惧していることがございます。今のところリリース禁止に罰則規定がありませんね。それを甘く考えるならば、今回の件はバサーのモラルの低下への警告、啓蒙であるともとれるのですが、このまま罰則規定が無いまま施行されたならとんでもない状況になるのではないかと思っています。

 元バスプロの平村氏が今回の条例要綱案に対するパブリックコメントの取り扱いについて滋賀県に質問した回答に、県は施行後も釣り人は減らないと考えていると述べられていました。今回パブリックコメント提出、署名集め、マナーアップ等の活動にちゃんと取り組んでこられたバス釣り愛好家は、これまでもちゃんとルールを守って釣りをされていたのであると確信します。今、一生懸命活動している方々は条例施行後、納得いかなくても我慢し、罰則が無くても条例を守ると思います。ゴミを平気で捨てたり、迷惑駐車する不届き者は、罰則が無いならば当然守るわけがないと思います。モラルやマナーなど直ぐに身につくとは到底思えません。そうなれば世間の風当たりも更に強くなり、バス釣り愛好家=犯罪者のレッテルを貼られ、バス釣りすること自体悪いことをするという風評になるのではないかと心配でなりません。そして「外来魚リリース禁止」が全国に広がるのに時間は掛からないのではないかと思います。罰則規定が無いという事の真意はここにあるのでしょうか。

 今私の娘は2歳になったばかりです。将来、この子と大好きな琵琶湖で釣りをしたいと考えております。そんなことは夢となってしまうのでしょうか。琵琶湖の自然保護や環境への配慮は我々県民にとって重要な問題でありますが、趣味が釣りであると言えるような条例の再考を宜しくお願い致します。

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というのがこれまでの経過です。議員さんよりご返答頂ければ、お知らせします。

"The Future of Bassing" presented by FB's Society / since May 21, 2002