「THINIK BASS 芦ノ湖バス会議」
〜釣り人による釣り人のバス会議〜レポート

 去る2001年7月28日土曜日、神奈川県芦ノ湖湖畔の神奈川県立芦ノ湖キャンプ村の多目的ホールにて、「THINIK BASS 芦ノ湖バス会議」が開催されました。この会議はSports Fishing & NEWS誌(フィッシュマン)の編集長である萱間修氏と、赤星鉄馬氏の遺稿をまとめた「ブラックバッス」(イーハトーヴ出版)や「僕がバス釣りに行く理由」(講談社)の編者および著者である福原毅氏(現FB's Societyメンバー)が発起人となって、「釣り人による釣り人のバス会議」と題して企画されたものです。当日、会場の正面に萱間氏の大きな字で「釣り人のケジメ」と大きく書かれた垂れ幕が掛けられ、この二人の思いを改めて表したものなのだなと感じられた方も多かったことでしょう。
 会場には60名ほどの方が来場され、その中には「ブラックバスがメダカを食う」の著者である秋月岩魚氏や、2月に立教大学で行われました公開討論会のコーディネーターを務められた瀬能宏氏の姿も見られ、釣り人だけでなくバス反対派の方にも注目されている会議でもありました。
 またこの会議の内容を見届けるという意味で「バス会議見届け人」として内水面外来魚管理対策等検討委員会座長で東京水産大学教授の丸山隆氏、芦ノ湖漁協組合長であり神奈川県内水面漁場管理委員会委員である大場基夫氏、同じく芦ノ湖漁協の事務局長であり内水面外来魚管理対策等検討委員会委員である橘川宗彦氏、そして神奈川県内水面漁場管理委員会委員の島津靖雄氏が出席されました。もう一人出席を予定されていました全国内水面漁業組合連合会専務理事である佐藤稔氏は、当日スケジュールの調整がどうしてもつかず、残念ながら欠席されていました。

 私自身、今回の会議は非常に有意義なものになると期待していました。結果、やはり有意義な会議として終わり、今後第2回目以降も続けて開催されるということが決まりました。
 これより詳細をみなさんにご紹介してまいります。まず今回の会議のプログラムと講演者のプロフィールをを下にお示ししますが、その前に開会にあたって萱間氏から次のような開会の言葉がありました。
 まずこの会議に至った経緯についてお話がありました。今回と同じく萱間氏が中心となって13年前に琵琶湖で開催された「琵琶湖バス会議」について触れられました。すなわち、そのとき決められた釣り人側の「釣ること」、漁業者側の「キャッチ&イート」、「これ以上のバスの拡散はやめよう」ということが、守られず現在に至ってしまったことから、まず我々釣り人は大反省の上に立って、自分達は何をしないといけないのかを考え、そして新しい提案(イコール「釣り人のケジメ」)を出して21世紀の釣りを作ることが今一番必要なことであると確認された後、会議が始まりました。

(プログラム)講演者の名前をクリックすると講演の内容を紹介したページに移動します。

福原 毅  「これからもバス釣りを楽しむために」

プロフィール:釣り人。1958年生まれ。写真家・随筆家。赤星鉄馬の研究をライフワークとされ、赤星の遺稿『ブラックバッス』をまとめ(1996)、バス擁護の書『僕がバス釣りに行く理由』を著した(1997)。今回は会議のコーディネーター役も務められました。

持田 信幸 「バス釣り人の資質について考える」

プロフィール:釣り人。1957年生まれ。JLAA、JGFA会員(タグ&リリース推進委員)。スズキの定点放流およびタグ放流プログラムを続けておられます。芦ノ湖漁協の監視委員でもあり、釣り場のルールと釣り人の在り方について持論を発表されました。

吉田 幸二 「ゴミ拾いについて 〜自らの釣り場を自らの手で守るということ〜」

プロフィール:釣り人。1951年生まれ。53upキャンペーン代表。WBSチェアマン。日本で初めてバスプロ宣言をされました。霞ヶ浦にてバストーナメントを開催するとともに環境ボランティア活動にも取り組まれています。

来田 仁成 「バス封じ込めの提案と全釣り協の考え方」

プロフィール:釣り人。1938年生まれ。朝日新聞釣り欄常任執筆。全釣り団体協議会専務理事。内水面外来魚管理対策等検討委員会委員(検討委員会で唯一の釣り人代表委員)。「全釣り協が主張する『封じ込め論』とはなにか」について講演されました。

丸橋 英三 「釣り人が今後なすべきこと」

プロフィール:釣り人。釣具店店主。1949年生まれ。JGFA常任理事。全ての『魚釣り』にかかわる全ての人々は今後何をするべきなのかを、大いなる不満を含めてEIZO流に語ります。

萱間 修 「釣り人の主張 〜バス問題解決のための具体案〜」

プロフィール:釣り人。1956年生まれ。釣り雑誌編集長。1989年にJLAA理事として初のブラックバスシンポジウム「琵琶湖バス会議」を企画運営。バス問題を釣り人の視点で解説した『バス問題を考える』(フィッシュマン)の著者でもあります。今回はバス問題の解決のための具体案を発表されました。


 講演が一通り終わり、会場とのディスカッションに入りました。最初はみなさん口が重く、なかなか発言が得られませんでしたが、徐々に様々な意見が出され、活発な意見交換が行われました。その中であるフリーライターの方から、「これだけバスが日本全国広く分布しているのだから、日本の魚として認知してもらうわけにはいかないのか?」というバサーとしては極めて率直で素直な質問も出されました。僕自身そういった気持ちはすごく良く理解できるのですが、このバス問題の本質から考えると質問された方の知識不足、認識不足を否めない部分が大いにあり、その他の人の意見や質問を聞いても「みんなバスやバスフィッシングに対する思いは熱いのだな」と素直に感じる一方で、同時に釣り人の知識不足や認識不足という問題が目の前の現実として大きくのしかかっているという事も痛感しました。
 しかしそれは全く悲観する事ではなく、冒頭で述べましたように今後もこの会議が続けられて行くのなら、釣り人としてまとまった「意見・主張」、つまり「釣り人としてのケジメ」を提示するための一過程と考えて良いのでは無いでしょうか。いわゆるバス反対派や漁業者、学識見者の方たちから見ればすごく幼稚なことのように捉えられるかもしれません。しかしそれも事実。それを素直に認め、今後もこのような会議を続けて行くということを決めたことこそが、今回の会議の開催意義である「釣り人のケジメ」になるのではないでしょうか。
 バス反対派がマスコミを抱え込み、世論を煽る中、日釣振などのいわゆる釣り具業界がこれに反論してきたのが現在までの「流れ」だと思うのですが、その中には100%純粋な釣り人の意見や主張はありませんでした。口を閉ざしていたのか....?見えないフリをしてきたのか....?いずれにせよ釣り人は出遅れています。
 釣り人の代表としての全釣り協と協力、そして業界の代表として日釣振との連携もうまく図りながら今後も進めて行こうというお話もありましたが、長くこの会議が続けられていくことを僕も期待しています。
 「Bass Fishing 虎の穴!」と私、虎の子こと佐藤元章は今後もこの会議に一釣り人として参加し、応援していくつもりです。

(この記事は「Bass Fishing 虎の穴!」で使用されたものを一部改編してお届けしています)

文責:佐藤 元章(FB's Society)


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